兵法問答集(読者からのおたよりと返事)
【I・Nさんからのおたより】 

 御世話になります。心に染み入りました。ありがとうございます。それに、自衛隊の話も・・・重ね重ねですけれども、ありがとう御座いました。 

  【家村会長よりお返事】 

 楠流兵法『甲陽兵庫之記』をお読みいただき、ありがとうございます。また、私の拙文にまで貴重なお時間を割いてお読みいただき、恐縮いたします。今回の掲載では、冒頭で私なりの自衛隊時代の思い出話などをご紹介してまいりたいと考えております。どうぞ最終回までお付き合いください。 

【Rさんからのおたより】 

 T三曹の御人柄、○○一曹の御人徳と家村様の信頼関係が目に見える様な話でした。 

  【家村会長よりお返事】 

 かつてお世話になった上官の方々の思い出話を書いている時には、いつも「剛毅朴訥は仁に近し」という論語の言葉が思い浮かびます。 

【両舷直さんからのおたより】 

 「ピース缶爆弾事件」の土田警務部長が、後に防衛大学校の校長を務められた事は初めて知りました。また、五百○部氏と違い、当時の土田大学校長が学生から強く敬愛されていた事が良く理解できました。 

【家村会長よりお返事】 

 日本の防衛を担う若人たちに良き感化を与えられるような立派な人物を防衛大学校長に選ぶことは、日本国政府として当然の務めでしょう。そうでなければ、国防の中枢から「精神的な崩壊」を招いてしまいます。昨今の防大校長の人選につきましては、詳しいことを知りませんので、あえてコメントはいたしません。 

【両舷直さんからのおたより】 

亡くなられた二等陸尉の夫人に心から敬意を表し、御霊安らかな事をお祈り致します。 

もう40年も前の話です。従兄がボーイスカウトで上級班長を務めていました。 

或るキャンプで、きょうが撤営という日に従兄は上級班長としてゴミを燃やす火の番をしていました。すると突然、爆発音が起きて、火の傍に居た従兄は吹き出た炎を頭から被りました。 

爆発音と従兄の叫び声を聞いた、隊長と他の隊員が駆け付け、従兄は井戸端へ運ばれ、各員が交代しながら井戸ポンプを漕ぎ続けて従兄の頭から井戸水を掛け続けました。その間に、119番で救急車が手配され、山の中から従兄は病院へ搬送されました。 

消された焚き火の中からは、破裂したガスボンベの残骸が見つかりました。誰かが間違えて焚き火の中に放り込み、その後に従兄が火の番をしていた様です。 

従兄が入院した病院から、隊長は従兄の母親に電話を掛けて事態を報告しました。 

従兄の母親は落ち着いた声で、「そうですか、ウチの子で良かった。隊長、どうぞ、御心配無く。」と、答えて、この話は今でも、このボーイスカウト隊の語り草になっています。 

【家村会長よりお返事】 

 「武人の母」の強さを伝える美談ですね。日本の歴史を見ても、武士道精神とは、けっして男児だけのものではありません。 

(兵法問答集 おわり)

2007/5/26