兵制の変革と武人の特質(結 言) |
▽ 結 言 我が国における兵制は様々な変遷を遂げ、各種の試練を経て明治以降の天皇御親率の近代的兵制へと還元された。各時代における武人の特質も又、これに応じて変化し、盛衰を繰り返してきた。これらを時代別に眺めて観ると、次の三つは武人が資質面で堕落した時代であると言うことができる。 @上代末期(韓半島の喪失、蘇我氏の悪逆時代) A平安時代(特に醍醐天皇の時代は、日本史上最も臆病な時代) B室町時代(特に応仁の乱の頃) 又、次の三つは武人の資質にとって興隆時代と見なすことができる。 @鎌倉時代 A戦国時代 B幕末維新時代 なお、南北朝時代には楠木正成の一族のような天下無双の忠臣も顕れたが、当時一般の風潮としては堕落した状態であった。それでも一部にこの時代特有の優れた武士が現出したことをもってすれば興隆時代と捉えることもできる。 さらに場所的に考察すると、武勇を尊ぶ精神の興隆は、先ず関東地方(鎌倉時代)に初まり、次いで近畿地方(南北朝時代)、次いで中部地方(戦国時代)、更に西部地方(幕末維新期)へと移っていったものと見ることができよう。 |
2013/3/22 |