戦国島津家の家訓 『みのほどをしれ』
『み』 見きくこと人の上とてそしるなよ 

       後は我身に むくひこそすれ 

『の』 のがれ得ぬ命を惜しむ人はただ 

       真の道を 知らぬゆえなり 

『ほ』 ほしくとて無理をいひとる人の身は 

       只、霜枯の 草の如くに 

『と』 ともだちと思ひながらも敵を見よ 

       親子ならでは 心ゆるすな 

『を』 怠らず我が道々をする人は 

       何につけても たのもしきかな 

『し』 知らぬことものいひだてをする人は 

       後は我身の あだとこそなれ 

『れ』 連々(つれづれ)に主人親子の間には 

       ただ忠孝の 道を案ぜよ 

(『みのほどをしれ』終り)

2013/4/12